ハイハイはなぜ大切なのか?(12月号)

赤ちゃんの時期、なぜたくさんハイハイをする必要があるのでしょうか。

まず単純に、全身の筋肉を強化し運動能力が高まります。

他にも、赤ちゃんはハイハイの姿勢で興味があるものを見つけると頭や首を動かしながら目も一緒にキョロキョロと動かします。この目の動きが今後の発達にとても重要です。視力の良し悪し以前に子どもにはその一歩前の目の機能の発達を促す必要があります。例えばボールが目の前で転がった時にボールの動きを目で追う「追視」や、さまざまな角度からものを見たり見上げたりする経験は子どもの両目の発達に大きく影響します。脳や体が成長してしまうと、後から教えることができない能力です。

また、目の前の物を見ながら掴み目的の方向を見て投げる、といった見ながら動く動作は子どもの発達において重要な要素の一つです。ハイハイの時期になると両手両足を動かしながら目的の方向に進むことで手と目の協応が促されます。

最後に、子どもの脳は3歳までに80%が完成することはご存じですか。子どもは脳が未完成の状態で生まれてきます。毎日の見たもの、聞いたもの、感じたものなどの情報を脳にインプットし脳が完成します。その重要な時期にハイハイは両手と両足を使い脳の左脳と右脳を同時に刺激します。

このように、ハイハイを充分することで基本的な神経や脳が完成していきます。ですので、ハイハイが少ないことでその後に悪影響が出ないように、たくさんハイハイのできる環境を整えてあげましょう。

(副園長:佐藤 毅佳)