子どもの自主性を尊重することとルールを守ること(2月号)

 近年主流となっている「子どもの自主性を尊重する子育て」ですが、意味を履き違えているケースが見受けられます。本来の意図とずれた「子どもの自主性」という名の自己中心的な行動、もしくは「自分が一番」という「子どもが王様状態」を助長することが問題です。もちろん、子供といえども、一人の人間です。だから意志を尊重するという事は大事です。しかし、明らかに周囲に迷惑がかかっているのに、「子どもの意志と自主性を尊重」しているという考え方は違います。他人に迷惑をかけないというのは、社会生活のルールです。まずは他人に迷惑をかけない。次に自主性を尊重する教育をするべきです。そうではなく、まず自分の考えを通す、他人に迷惑がかかっても良い、というのは自己中心的考えとなってしまいます。好き勝手にさせるのは放任ですし、自由には必ず責任が伴います。

 では、子どもの自主性をどのような時にどこまで尊重するかと考えた時に、まず家庭ですべきことは「どんなルールをもってお子さんと接するか」です。「ここを超えたら注意する」という自主性の線引きをして、ルールがぶれることがないようにしながら注意するようにしましょう。子どもにルールを教えるのは、まずは何よりも親です。「世の中のルールは、成長すればいずれ…」、「いつかそのうち自然と身に付けるだろう」などと考え、親が伝えなければルールを子どもが身に付ける機会は昔ほどありません。最近問題の迷惑動画を撮影する子どものように、いきなり「法律」というルールで責任を取らされることになります。子どものうちから、小さなルールを守るように家庭で接していくことが大切になります。

(副園長:佐藤毅佳)