子どもの自主性を尊重した子育てとは(3月号)

 親は子どもより多くの経験をしているため、子どもには同じ失敗をしてもらいたくないという思いから、子どもに対して「良かれ」とすることを押しつけてしまいがちです。しかし、それでは子どもの自主性は育ちません。自主性を育てるには、親が答えまでの道筋をお膳立てするのではなく、子どもの立場で考え子どもが自ら考えられるようにする必要があります。答えを用意し、答えのために頑張る姿を「自主性」と考えている方も多いのですが、ベストアンサーが用意されての行動は自主性ではなく、「従順性」です。「言うことを聞くか」が問われているのであって、子どもが自ら考えて自主的に行動している訳ではありません。お膳立てをしていては、いつまで経っても自主性が身につかないばかりか、むしろ「何でもしてもらえるのが当たり前」という考えが生まれてしまいます。このように、親の過干渉は子どもの自主性を損ねる結果になってしまいます。

 自主性を育てるのに大切なことは、「何をすると失敗するのか」を知ることです。失敗は決して「悪いことではない」と教えることが大切になります。自主性は、成功体験からのみ得られるものではなく、失敗も含めて何がいいのかを自分で考え、意欲的に挑戦することで身につきます。失敗を恐れずに挑戦できる環境が自主性を育みます。親として心配になり、手を貸したくなることもあるかもしれません。しかし、それでは子どもも「いざとなれば親が助けてくれる」「親が何とかしてくれる」と思い続けるので、自主性は育ちません。失敗しても怒らないだけでも子どもの気持ちが変わります。

ですので、失敗も含めて見守り子ども自らが考えて動くことのできるようにしていきましょう。

(副園長:佐藤毅佳)