子どもの偏食(1月号)

偏食の原因はいくつかありますが、多くは年齢や味覚の発達によって起きます。そこで大切なのは「幼児期までになにをどのように食べるか?」ということです。離乳食が始まる頃から2歳まではいろいろな味覚を受け入れる時期です。そして、2歳を過ぎるころから徐々に好き嫌いが出て、小学校低学年ごろには、好きな食べ物と嫌いな食べ物が定着してしまうといわれています。
偏食を予防するには、離乳食が始まる生後半年前後から自我が芽生える2歳までにさまざまな味を経験させることが大切です。味覚には「旨味」「塩味」「酸味」「甘味」「苦味」の5種類があり、薄めの味にして一通り与えてみること、素材そのものの味を知るために様々な食材を味付けせずに与えてみることが重要です。
子どもが一度嫌って食べなかったとしても食卓には根気よく並べてみることも大切です。「まずは一口だけ」と少量を与えてみましょう。逆に、この時期に多くの味や食材を経験しないと、成長した時に知らない味だから食べたくないと、偏食に繋がってしまう傾向があります。
また、味付けが濃いもの(特に甘味)ばかりを食べさせると味覚が鈍り、食事の味をきちんと認識できなくなるおそれがあります。できるだけ離乳食期から薄味を心がけ、甘いお菓子などは極力与えないようにしましょう。
偏食する子どもには、一口でも食べたら大げさにでも褒め、成功体験を増やすとよいでしょう。また、一緒に野菜を栽培・料理してみることで、苦手な野菜にも愛着が沸いて美味しく食べてくれることもあります。子どもの苦手食材は栄養がいっぱいです。成長や健康のためにも、少しずつでも食べられるように挑戦していきましょう。(副園長:佐藤毅佳)