リコーダーが吹けない子どもが増えているという記事を目にしました。原因は手先の器用さや音楽のセンスとは別の可能性があり、放置すると健康や学力に深刻な悪影響が及びかねないそうです。
以前は子どもの口の中の問題といえば「むし歯」と「歯並び」でした。しかし、現場の歯科医師の間では、2010年にはすでに「お口ポカン」や「丸飲み」「口呼吸」「舌足らず(構音障害)」などの急増が問題視されていました。そして2018年に厚労省によって「明らかな機能障害がなくても、発達が十分でない状態」について「口腔機能発達不全症」という病名が正式に認められ保険診療の対象となりました。これは、食べる、話す、呼吸する、といった人間が生きるために基礎的な口腔機能が年齢相応に育っていない状態のことです。ただし、全く、食べられない、話せない、呼吸できない、わけではないため「成長が遅いから」「個性だから」と放置しがちになります。この機能発達不全は『放置することで自然に改善することがなく、適切に介入しなければ生涯にわたって影響を及ぼす』ため、この状態が病気に指定されました。
もともと口腔機能は成長期に「獲得」するものであり、十分に獲得できないものに対して18歳未満を対象に「口腔機能発達不全症」と診断します。口腔機能発達不全症の症状は幼児の頃から必ず兆候があります。①風船やシャボン玉を力強く膨らませられない、②テレビを見ている時、常に口が開いている、③硬いものを避けて柔らかいものを好む、④食事中に水や汁物をよく飲む、⑤食べ物を噛んでいる時にクチャクチャ音がする、⑥発音が不明瞭で特に「サ行」や「ラ行」が苦手、⑦朝起きた時に喉を痛がる、これらの項目の3項目以上に該当するようなら歯科医院か専門医を受診した方が良いとされます。
口腔機能発達不全症を放置すると、滑舌不良、感染症にかかりやすくなる、睡眠の質が低下、集中力が低下する、といったように、口腔の問題から学習や生活面への悪影響が出てきます。子どもの健やかな成長のためにも、気になることがあれば早めに歯科医師などに相談するとよいでしょう。
副園長:佐藤毅佳














