子そだて講演会~造形活動にみる こどもの育ち~

平成29年11月1日(水) 午前10時から午後12時まで

また、新しい志だみ幼稚園の“応援団”が一人増えた気がします。美術講師の新家陽子先生の講演を聞いてそう思いました。本園のホームページもご覧くださり、「皆それぞれ、ハードルが違っていい。一人ひとりにあったハードルを見つけることが教師の役目」と言った話を引き合いに出されて講演が進んでいきました。

そして、印象に残った言葉が2つあります。

まずは「正解のないことの難しさ」ということです。子どもが見た景色と大人が見ている景色は違っているし、違っていていいとのことです。「どの絵が正解というものはない」ということです。本園でもプロの講師に依頼して一斉に効率よく難なく自然に何でも出来るようになることより、クラスのみんなで試行錯誤をしたり自分自身で頑張ろうと取り組んだりした中で得た成功体験こそを大切にしています。それぞれ成功体験までの過程が違い、正解のないことへの難しさを日々感じながら、その大切さも十分感じて保育をしています。

つぎに、「本物にふれることの大切さ」ということです。

本園の子ども達の作品を見て、「これは、きちんと本物を見て描いていますね。」と言っていただけました。写生と言うと、写真を見て描かせたり、偽物の果物セットを前にして描かせたりと言ったことが考えられますが、本園では本物にこだわって、果物や野菜なら匂いを嗅いだり触ったり、動物なら抱っこしたり様子を観察してから描くようにしています。年少組の最初に描く絵は「ふうせん」ですが、これも本物の風船で一杯遊んでから描かせます。「はい、丸描いて」「次に中を塗って」などと作業としては考えていません。だからこそ年少児でも、「ふわふわが描けない~」などと言ってくれる子もいて、その感性を大切にしたいと思って保育をしています。

最後には、保護者の方のアンケートにも多数書いてあった、「好きじゃないけど、嫌いにさせない」ことです。

本園でも様々な活動や遊びに取組んていますが、どの子も全て一律にできることを目的としていません。もちろん、そうあって欲しいと願って働きかけをしていますが、学年、発達段階、個性、自分の考え方等違っていますので、一斉にすべての子がクリアすること自体おかしなことと考えます。

ただ、どの子も「できる自分」を信じてどこかで自分から挑戦できる気持ちだけは持たせ続けていたいと考え保育をしています。

本当に、新家先生の話を聞いていてうなづくことばかりでした。本園の幼児教育に対する想いを、絵画の世界からひも解いていただけた気分ですがすがしい気持ちで終えた講演会でした。ここに、保護者の方からのアンケートの一部を紹介させていただきます。クリックすると画面が大きくできます。40名余りの在園児の保護者・未就園児の保護者の方のご参加ありがとうございました。