近年スマホ使用への規制が世界的に進んでいます。これに対してカラーテレビやゲーム(ファミリーコンピュータ)が出た時も批判がありスマホへの批判も同様の新しい物が出たことに対する批判だから気にしなくていいという意見を目にしますが、カラーテレビは1970年、ファミコン1983年発売です。その時代は脳科学の研究が進んでおらず、脳の研究に有効なMRIが一般的(90年頃)になって脳にも使用し研究が発展しました。研究環境が整い「動画視聴時の脳の活動」や「小児におけるスマホの影響」について統計学的に有効と判断可能な人数、期間を対象に研究した結果、脳に影響があるというデータが得られた点がテレビ等との違いです。つまり、当時同様の研究ができる環境になかったので比較対象とするのは不適切といえるため、テレビやファミコンは害がなかったのではなく害があったか研究できなかったというのが正しいです。
スマホの使用時間と試験結果(学習効果)に対する実験、幼児のスマホ時間と認知機能の発達への影響、発光する画面から情報を読み取ると脳の働きが受動的になり紙などの発光しない情報を読み取る場合は能動的になる(紙の方が記憶に残る)、といった様々な研究結果が出ています。スマホ使用時にドーパミンが生成されますが、これにはタバコやドラッグほどの中毒性があることが分かっています。子どもが使用することで健康や成長に良い効果があった例は今のところ確認できません。スマホ使用に肯定的な意見について述べている人を調べると広告収入から切り離せない人たちのようにみえます。
実際に規制した例では、ハンガリーのある学校で「教室と家庭の両方」でスクリーンタイムを削減した結果、生徒、教師、保護者の幸福度が向上し、生徒の集中力や判断力も高まったそうです。スマホの使用を制限することで生徒間の対面での交流が増加し、いじめの減少という成果を出したところもあるようです。
WHOも2歳未満への使用を推奨せず、世界79カ所の国や地域の教育制度が動き、科学的証拠も揃い始めた今、現金を支払って脳の成長に悪影響を与える道具について考えた方がよいのではないでしょうか。
副園長:佐藤毅佳














