こもり熱に気を付けて(8月号)

 子どもの発熱には病気が原因である他に、状況・環境が原因となるものがあります。これは、何らかの理由で体の熱を逃がす仕組みがうまく働かなくなり、体の中に熱が溜まってしまい一時的に体温が上がるためで「こもり熱」といいます。

 原因のひとつは、体温調節機能が未熟であることです。小さな子どもは、汗をかく機能が十分に発達していないため、外気の影響を強く受けやすく一度体温が上がると自分自身の力で下げるのに時間がかかります。また、子どもは新陳代謝が非常に活発でもともと体温が高めです。そのため気温が高すぎたり、厚着をしていたりすると逃げ場を失った熱が体にこもります。子どもは代謝が良く、大人が「少し肌寒いかな」と感じるくらいがちょうど良いです。特に、夏の屋外や、冬場の過剰な暖房、チャイルドシートに座らせているときなどは、熱の逃げ場がなくなりやすく短時間で体温が上昇します。湿度が高い時は汗が蒸発しにくいので特に注意が必要です。

 こもり熱は原因となっている環境を整えれば比較的短時間で熱が下がるのが特徴です。もし、熱が高くても本人がケロッとしていて、涼しい場所で水分をとり1時間ほどで熱が下がるならこもり熱の可能性が高いです。こもり熱かもと思ったら、衣服を脱がせる・室温を下げる・場所を移動する、といったことが効果的です。同時に、常温か、少し冷たい程度の水や麦茶を一度にたくさん飲ませるのではなくスプーン1杯や一口ずつ、回数を分けて飲ませるといいです。それでも熱が下がらない場合は、太い血管が通っている、首の横・脇の下・太ももの付け根などを直接冷やす方法も有効です。保冷剤や冷たいタオルを当てて優しく冷やしてあげましょう。また、服装に関しては日頃から「今日は暑いね、1枚脱ごうか」と声掛けをすると、感覚と言葉を一致できるようになり、子ども自身が気づき服を脱いで調整できるようにもなります。

 こもり熱は病気ではありませんが、体温調節機能が未熟な子どもにとって身近に起こりうることです。大切なのは、「風邪かな?」と慌てる前に、まずは環境を見直してみることです。涼しい環境を作り、水分をとり、余分な熱を逃がしてみてください。

副園長:佐藤毅佳