褒めすぎは逆効果

 傷つきやすい、頑張ることができない、意志が弱い。昨今のこうした若者が増えています。欧米でもてはやされた事象を何も考えずに日本で適用したことが一因と考えられます。

 欧米は前提として親が強権的な(親の言うことに強制的に従わせる)ことが一般的で親子の絆を強めるために意識してほめてあげないと子どもがつぶれてしまいます。また学校も社会も厳しい世界で成績が悪ければ小学生でも落第、社会人なら即解雇もあります。このような常に自立を求められる厳しい社会だから“ほめる”言葉が重要になりました。逆に日本では親と子どもの距離が近く、子どもを優しく包み込むような育て方が主流で、ほめる機会を増やさなくとも自然と親子の間に絆が形成されます。また学校では基本的に落第がなく、社会人になり仕事ができなくても即解雇はない環境です。このような甘い環境でどんな場面でもほめられてばかりでは自己肯定感が育たず自立にも繋がりません。

 教育心理学でほめることは「言語的報酬を与える」ことで、その与え方(ほめ方)によってはほめることが逆効果になると証明されています。その例として、「お友だち(きょうだい)に比べて点数がよかったなんてえらい」と他者と比較してほめる。「100点とってえらい」と結果だけをほめる。「遅刻しないなんてすごい」とできて当たり前のことをほめる。これらは他者と比較したり、結果だけにこだわったり、言語的報酬がもらえて当たり前になったりしてしまいます。

 望ましいほめ方は「前にできなかった○○ができたなんてすごい」とまわりと比べるのではなく「過去のわが子」と比べてほめる。「そんな工夫して作るなんてすごい」「○○に注目して調べるなんてすごい」と結果だけでなくプロセスを評価する。といった声のかけ方です。こうした声掛けは自分の行動や成長を認めてもらえることで次に行動する自信に繋がります。

 ほめられない(言語的報酬がもらえない)とできない、続けられないでは社会的な自立が難しくなってしまいます。最終的に自立ができるように育てるのが親の役目と考え適切なほめ方ができるよう意識していきましょう。

副園長:佐藤毅佳