感染拡大を防ぐために(12月号)

 インフルエンザの感染拡大をよく目にするようになりました。菌やウイルスの感染経路として、本人・親・きょうだいが発症した場合に、咳からの感染はわかりやすいですが、他にも会話中の呼気や唾液、トイレ・手洗い・入浴で使うタオル、机の上や縁・椅子の背・ドアノブのように生活上で触れる場所にある菌が人の口や目などの粘膜に付着、増殖していくことで発症します。家庭内で発症者が出た場合、特にきょうだいで発熱があった場合は家庭内で一緒に遊び近距離で会話をし、玩具などを共有していた可能性も高くり患していることが多いです。そして朝発熱していなかったからと登園し、結局途中で発熱して帰宅するといったこともあります。これは本人もつらいでしょうし、菌を広げることにもなります(インフルエンザの感染拡大は基本的にこのパターン)。ですから家庭内の、特にきょうだいで発病した場合は感染拡大防止の観点から登園を控えて頂けると助かります。

 比較的有効な感染予防方法は、まず持ち込まないために手洗いをすることで、次に体内で増える前に洗い出すうがいが代表的です。身近で発症者がいた場合は触れた物の消毒、特にドアノブ、机の縁のように日常生活で良く触れつつ死角になりやすい場所を意識して行うといいです。タオルも病人専用の物を用意すべきですし、部屋の湿度をコントロールすることもウイルスの活動を抑えるのに有効です。また、食事や睡眠を適切にとることで免疫を向上させることも当然重要です。

 意外と馬鹿にできないのが呼吸方法です。近年口呼吸をする人が多くなっていますが、口はどちらかというと物を食べる器官であり空気を取り込むには向いていません。防疫の観点からいうと鼻で呼吸をしていると、鼻水や鼻毛で守られているので、乾燥せず適度な湿度で守られます。また、細菌やウイルスが鼻水や鼻毛でキャッチして直接入り込むことなく空気清浄機のような役割をします。そのため鼻呼吸をすると風邪やインフルエンザなどの感染症の予防効果が期待できます。これから冬も本番です。体調に気を付け、感染を広げることのないようにしていきましょう。

副園長:佐藤毅佳