砂あそびは、子どものさまざまな力を引き出すといわれています。その砂あそびの効果をいくつかご紹介します。
感覚:形を自由に変える砂にまず視覚的な関心を向け、やがて乾いた砂、湿った砂、泥状の砂、温度の違う砂などの違いを手指や素足で感覚的に感じ取ります。
体の運動:砂の上を歩いたり走ったり飛び跳ねたりする動きには、微妙なバランス感覚や筋力が必要です。深い穴を掘る、バケツの水を運ぶなど、運動量も増加します。
操作性:砂を介したモノの扱いでは、手指や手首、肩の動きや力の強弱やひねり具合などが重要です。子どもはモノを何度も繰り返し使い、次第に道具として使いこなせるようになります。
言葉:あそびの深まりとともに砂場での子どもの語彙は増えます。経験をベースにした具体的なやりとりや自分の思いを語ることで、コミュニケーションの力を獲得していきます。
社会性:年少期にはモノの取り合いや砂のかけ合いなどのトラブルもありますが、年長になると協同的なあそびも増え仲間との人間関係が深まります。
想像と創造:砂を固めて小石や木の葉を飾ってケーキにしたり、砂場全体を野山に見立てて乗り物を走らせたりとイメージが具体的な創造につながります。
認知:変化する砂を通じて、モノの大小や重さ、長さ、硬さや柔らかさなど、物質の状態や自分の体との関係性を理解し、自分の言葉で表現できるようになります。
科学的発想:砂山が崩れないように注意しながらトンネルを掘るなど、自然の法則と関わりながら子どもたちは試行錯誤を繰り返して仮説をもって実験的に確かめていきます。
自己肯定:思い通りにできたときは笑顔に、失敗したときは何度も挑戦し、忍耐や集中力、自信や自己肯定につながります。
このように子どもたちの砂あそびには発達につながる重要なことがたくさん含まれています。泥汚れはたくさんあそんだ勲章と思って、あたたかく見守ってあげてください。
副園長:佐藤 毅佳