新緑がまぶしく清々しい季節となりました。園では毎年この時期にやってくるツバメの巣、桜の木に実るサクランボの実、竹林に生えるタケノコ…。この季節ならではの風景を体で感じながら毎日を過ごしています。
今年度が始まり1か月。新しい環境で園生活を過ごした子どもたちも少しずつではありますが、それぞれに楽しみを見つけながら園生活を過ごせるようになってきました。
そんな中、悲しい出来事がありました。20年程、子どもたちと共に生活してきたクジャクが老衰のため亡くなりました。その姿を見た子どもたちは「死んじゃったね」「何歳だったのかな」「どうしたんだろうね」と口々に会話をし、入園したばかりの年少児でも「救急車を呼ぼうか」と話しており現実を受け止めようとしていました。しばらく様子を見ていると、クジャクの周りにツツジの花がたくさん置かれていました。きっと園に落ちている花をクジャクのためにと誰かが供えてくれたのでしょう。
悲しい出来事ではありましたが、子どもたちが現実をしっかり受け止め、生き物には命があることを体感し、優しい気持ちで見送ろうとする姿に感心しました。いろいろな体験を通して学ぶということが大切ではありますが、大人が与える体験ばかりではなく、今回のような偶然起きた出来事も、また、楽しいことだけではなく悲しいことも、体験のひとつとして子どもの心の育ちに関わる出来事になっていくのだと改めて思いました。
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愛知県私立幼稚園連盟 幼児教育相談員
名古屋市私立幼稚園協会 幼児教育相談員
親学アドバイザー(親学推進協会)
志だみ幼稚園 教務主任 水野 奈緒
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