運動会を終えて思うこと(10月号)

 キンモクセイの香りが風に乗ってきて、秋を感じさせてくれます。

 幼稚園では先日「運動会」を行いました。毎年のことではありますが、この時期の子どもたちは心が大きく成長し色々なドラマがあります。今年もクラス全体や、ひとりひとりが目標に向けて取り組む中で様々なことに挑戦する子、友だちを認め合う姿などを見ることができました。

 そして、保護者の方々にも運動会は「1つの節目」「日々の通過点」であることを伝えて子どもたちを応援してもらっています。ですが、実はそれが一番大切で、子どもたちが何かできるようになった時、一緒に喜んでもらえることで、自分を肯定し自信がつくのだと思います。

 例えば、年長児は鉄棒の逆上がりや飛び箱に挑戦しますが、本園では体操の先生は必要としていません。私たち保育者が子ども達と一緒になって励まし共感した中で取り組んでいます。その時に無理矢理やらせたり、方策ばかり伝えたりするようなことはしていません。まずは、本人がやる気になるように働きかけます。例えば、「幼稚園で毎日10回ずつやりなさいね。」とか「まだできないの?」と言われた中でできるようになったとしても嬉しくはなく、反対に他のできない子のことを指摘します。「頑張ってね。」と見守ったり「一緒にやってみようか。」と同じ場を共有しあったりした中でできた子はできた時の表情が全く違います。また、そんな子は友だちができた時も自分のことのように喜んでくれます。これは、おかあさん方が家庭で子どもとどのように関わり、一緒に悩み、一緒に喜ぶことで、子どもの心の育ちが変わってくるのだと思います。

そんなお母さん方と一緒に子育てができていることがなにより嬉しいと思った出来事でした。

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愛知県私立幼稚園連盟 幼児教育相談員

名古屋市私立幼稚園協会 幼児教育相談員

親学アドバイザー(親学推進協会)

志だみ幼稚園 教務主任 水野 奈緒

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