「コロナ禍に気づいたこと」(6月号)

国の緊急事態宣言が解除され、幼稚園も今月から通常保育となりました。もちろん、新型コロナウイルスからの心配事もまだまだ多い時期ではありますので、給食を食べずに早退したりバス通園ではなく送迎にしたり欠席にしたりと、各ご家庭で心配や負担の無いように判断していただいています。

この自粛期間中、園や学校によってはオンラインで先生から子どもたちに発信をしているところが取り上げられ、この有事のなか様々なアイデアで、すぐに対応していることに感心しました。ただその中で、一歩間違うと一方的な発信になったり強制になったりしてしまうのではないかという疑問も湧いてきました。特に幼児との関わりは日常的にも一方的なことはほとんどなく、保育をするにあたっても、子どもの表情や空気感などを感じつつ楽しめる環境を作ることが大前提です。ですからやはり、子どもにとっては“フェイスtoフェイス”でスキンシップをとりながら関わっていくことが大切だと再認識させられました。少しでも早くそんな関わりが安心してできる日が来てほしいと思います。

もう一つ気づいたことがあります。それは子どもの“手洗い”です。園が休園になり、ほとんど生活習慣について指導ができないまま再開しましたが、今年度は年少児でも例年にないぐらい上手に手洗いができます。きっとご家庭でしっかり身に着けているのだと思いました。近年いわれている「園でしつけしてくれる」という考えはやはり間違っているのだと実感しました。子どもにとって一番は家庭で、園はもちろん一緒にやっていくのですが、家庭では経験できないことを体験する場所であると再認識しました。
コロナウイルスをきっかけにいろいろ学んだ気がします。

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愛知県私立幼稚園連盟 幼児教育相談員

名古屋市私立幼稚園協会 幼児教育相談員

親学アドバイザー(親学推進協会)

志だみ幼稚園 教務主任 水野 奈緒

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